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ISSI 2023 参加報告

ISSI 2023 Conference(International Society for Scientometrics and Informetrics 2023 Conference)は、2年に1度開催される科学計量学で最大の国際学会である。今回はアメリカインディアナ州ブルーミントンにあるIndiana Universityで7月2日から5日にかけて開催された。2021年度はコロナ禍の関係でオンライン開催であったが、今年は4年ぶりの現地開催となった。
当研究室からは、東出紀之博士課程と三浦崇寛博士課程が参加し、以下の2つの研究の発表と、現地研究者とのディスカッションを行った。

“Different hot streaks for twin peaks in academic careers” (Noriyuki Higashide*, Takahiro Miura*(* Equally Contributed) and Ichiro Sakata, Parallel session)
“Does Prince Necessarily Cite Sleeping Beauty?” (Takahiro Miura, Kimitaka Asatani, and Ichiro Sakata, Poster session)

本会議では、University of CopenhagenのRoberta Sinatra氏による研究のジェンダーエフェクトに関する基調講演をはじめ、Funding, Indicator, Open Science, Equity, Moibility/Careerなどの広範にわたるセッションが行われた。欧米圏に限らず、日本人や中国人をはじめとするアジア圏からの参加も多く、同時期に開かれたScience of scienceの学会であるICSSI 2023と比較して国際色豊かな学会となっていた。

東出、三浦のパラレルセッションでは、近年注目される学問におけるhot streakに関する研究を発表した。発表後の質問では、時間が過ぎても質問が続くほど多くの関心を集め、2019年にTeam scienceの研究でNatureで論文を発表した新進気鋭の研究者であるPittsburgh大のLingfei Wu氏からもコメントをもらうなど、非常に充実した議論を行うことができた。

また、三浦がポスターセッションで行った、Sleeping Beautyを発見するPrinceの抽出方法に関する提言では、中国でsleeping beauty研究に詳しいYing Ye氏の研究室に在籍していた学生とコンタクトを取ることができた他、中国科学院大学で類似の研究を行っていた博士課程の学生と科学における古典的論文を再評価する意義について話すなど、日本ではあまり行えない議論を行うことができた。

この他、インディアナ大でポスドクをされている宮崎邦洋氏や幸若完壮氏をはじめとした研究者の方々と現地での研究生活の話を行ったり、昨年のCS3で会った科学計量学に取り組む仲間との再会を果たしたりなど、日本と海外の研究環境や研究の動向についても多くの示唆を得られた。

交流のために参加したバンケットでは、芸術領域で有名なインディアナ大らしく、ハープの生演奏の下で、ヨーロッパのOpenAIREでエンジニアをしている方々とオープンサイエンスの動向について話を伺ったほか、会議の名物になっているDancingに興じるなど、オンオフ共に研究者のコミュニティに浸かった5日間であった。
(文責: 三浦崇寛)

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